ネット社会を生きるために必要なこと

ネット社会という言葉自体が消滅する?

1990年代中盤以降にサービスが開始したインターネットは、21世紀にブロードバンド回線網の発達により急激に利用者が増加した後、光回線や2010年代のスマートフォン普及によって、誰もが簡単に利用できる存在となりました。
一時期はネット社会の到来という言葉が使われていましたが、インターネットを利用することが半ば日常的となったことで、ネット社会という言葉自体が消滅する可能性もあります。

家に居ながらにして多くの情報を入手できるなど、そのメリットは計り知れないものがありますが、一方でデメリットも少なくありません。
例えばネットリテラシーに関する問題は、良く議題にあがります。

急激なネット社会の訪れにより、インターネット上に潜んでいる危険や最低限のマナーなど、社会では当然のように必要とされる知識を持たないまま、ネットデビューを果たす人たちが大量に生まれました。

一般社会では義務教育の過程で多くのことを学び、高校や大学での人間関係構築経験を経て社会へと出ていきますが、特に高齢となってから初めてインターネットに接した人たちは、簡易な知識のみで利用しているため、悪質なサイトによる詐欺事件に巻き込まれる可能性を否定できません。

個人情報流出問題について

個人情報の取り扱いが問題視され始めた頃には、多くの企業で個人情報の管理に際して不手際があり、個人情報の流出が多数見られました。
流出に関して報道されている案件はありますが、企業間に限定した情報の流出等はほとんど報道されていませんから、表面化しているのは氷山の一角にすぎません。

この問題の本質は、ネットリテラシーの不足に似ています。
かつてはインターネットやストレージデバイスが存在していなかったため、一流企業においても電子ファイルの個人情報を安全に管理するためのノウハウが不足していたことが、特にIT関連企業以外で個人情報流出事件が頻発する原因となりました。

各企業では個人情報の管理や、ネットリテラシーに関する教育が実施されるようになりましたが、一部中小企業では人員や時間の問題もあり必ずしも十分ではありませんから、学生のうちから教育が必須となります。

プライバシーに関する問題も無視できません。
かつて日本では、インターネットを利用する際には匿名が当たり前でした。
匿名性はメリットとデメリットの双方があるため、どちらが良いかは一概に判断できませんが、少なくとも犯罪被害を減らすことは可能です。

(参考)
IT/ネット商社の株式会社ネットランド

匿名よりは実名を使う人が増えている

実名を明かしたうえで、日常生活のすべてをネット上で公開した場合、閲覧者はその人の居住地や行動範囲などすべてを知ることができますから、当然ながら犯罪に巻き込まれる可能性は高くなります。
一方で、匿名にすることで発言にフィルターがかかりづらくなるため、日常生活では決して言えないことも書いてしまうなど、陰湿なイジメや誹謗中傷の原因となります。

近年はFaceBookやtwitter、インスタグラムなどSNSの存在もあり、匿名よりは実名を使う人が増えています。
実名を使うことは問題ありませんが、やはり注意は必要です。

欧米では実名を使うのが一般的だと言われていますが、実際はそうではありません。
日本は多くの人が匿名ですが、欧米では日本に比べれば実名が多く、6割程度が実名ですが4割は匿名で、フランスでは匿名の方が割合が多いと言われています。

あまりに日本国内で匿名を使う人の割合が多いため、その比較によりまるで世界的に実名を使うのが当たり前のような意見もありますが、実情は全く異なりますから注意が必要です。

実名を使う場所は十分に注意すること

欧米でも公開すべき場所と秘匿すべき場所については明確に注意喚起されていますから、そこは日本と何ら変わりありません。
周囲を説得させるために自分の意見をしっかり伝えるなど、公的な意見を発表する場であれば、もちろん実名の方が説得力があります。

しかし掲示板やSNSのように、獲物を狙う犯罪者が閲覧する可能性が高い場所で実名を使うことは、意味が無いばかりか危険を伴います。
企業の広報による宣伝や芸能人のほか、公的な立場にいる人や信頼性を重視して情報を発信するなど、プロフィールを明らかにする必要がある場合は別として、一般的には匿名やハンドルネームを使用するか、もしくは実名にする場合は公開範囲を知人や友人に限定するなど、状況に応じてフレキシブルに設定することも重要です。

twitterではツイートした場所を情報として添付することもできますが、設定で無効とした方がより犯罪から身を守ることにも繋がります。

インターネット上でWebサイトを閲覧すると、どのようなサイトを閲覧しているかなど情報が収集・蓄積され、個人を特定できない範囲で年齢や性別、趣味嗜好などあらゆるプロファイリングが作成されます。

このようなデータは裏で取引されるため、個人データとひも付けされてしまうと匿名性の意義は薄れてしまいますが、犯罪から身を守ることを第一に考えれば、やはり匿名性は必須と言えそうです。